2021年春の邦楽アルバムベスト5

夏の訪れは、季節と共に新しい音楽の波の到来を意味します。ほとんどのアーティストは、この時期を待ってヒット曲やアルバムを出します。しかし、夏のまやかしを気にせず、春にリリースされた良いアルバムもあります。

春にリリースされたおすすめのアルバムに関して、このランキングを見てみてください。ランキングにはエクスペリメンタル・ヒップホップからサイケデリックロックに至るまで多くのジャンルが含まれているので、どの曲を聞くか迷った際の参考になるでしょう。2021年春の邦楽アルバムを上位5作品まとめましたので、以下からお読みください。

1. 高原久実、See-Through

高原久実は音楽に囲まれて育ちました。彼女がバイオリンを習い始めたのは3歳とまだ幼い時期だったことを考えると、彼女の人生はクラシック音楽演奏家になるために整えられたものだったと言えます。しかしながら、その道のりの途中で、彼女はクラシック音楽にひねりを加えることを思いつきました。

この春、彼女は初のアルバムである『See-Through』をリリースしました。このアルバムのデモは高原のマンションで収録され、それは曲の中で感じ取ることができます。このアルバムは全てにおいて「個人的」な手作り感を主張しています。この有望な新人にとって、洗面所がレコーディング場所に選ばれたのは正解でした。

2. ククルヒメのミコト、歯が溶ける夢

多くの素晴らしい要素が調和すると、素晴らしいものが出来上がりますよね?少なくとも、彼らはそう考えました。そしてそれは正解だったのです。

このアルバムに収録されている曲にはヴェイパーウェイブ、ヒップホップ、アートポップの要素全てが少しずつ含まれています。これはラッパーと楽器演奏者が意気投合して、ともにアルバムを作り上げることで実現した音楽です。それはまさにOrigami_Originalと奥村祥人が作り上げたアルバムのことです。ぜひこの力強いミックスを聴いて感想をお寄せください。

3. Tempalay、ゴーストアルバム

Tempalayはすでに3つのアルバムをリリースしていますが、大手レコード会社からのアルバムリリースはこれが初めてで、多くのファンはどのようなものができるのか予想できませんでした。しかしこの3人組はファンをがっかりさせることはありませんでした。

彼らは独特のタッチを維持しつつ、音楽性を向上させ、どこで演奏しても恥ずかしくない曲に仕上げました。このサイケバンドには確実に将来性があり、このアルバムは2021年春の最高傑作であると多くの人に評価されています。

4. S.L.N.M、猿ノ目

ヒップホップではないビートに合わせて3人のラッパーが奏でる音楽の融合がこれ程までに素晴らしいものになるとはだれも想像していませんでした。Shin Wadaはヒップホップのビートを作ることでは知られておらず、むしろインダストリアル・ノイズ系ビートを生み出すことで有名ですが、彼はユキテロ、慧、にゃおみと共に、この春最高に素晴らしい作品を生み出しました。こちらのEPは17分しかありませんが、聴いた後も長いことその素晴らしさの余韻に浸れる作品です。

5. Wata Igarashi、New Dawn

目まぐるしいエネルギーのあるサイケデリックテクノが好きな人ならWata Igarashiのことは既にご存知でしょう。また、このジャンルの楽曲を聞いてみたいという人は、このアルバムから始めるといいでしょう。New DawnはWata Igarashiの最新リリース作品で、彼特有のサウンドが維持されつつも、彼の音楽を新しいレベルへと導く楽曲です。